生まれゆく髪の型

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坊ちゃん刈りとは、男の子の髪型で、長髪であり、なおかつ耳にかからない程度のものを指す。
大正デモクラシー期に都市部の中流階級以上の子弟に広まったが、高度経済成長の進展に伴い、庶民層や農村部の男の子にも普及した。かつて男子の髪型は、理容店で施術される丸刈り・坊ちゃん刈り・スポーツ刈り・おかっぱ頭の4種類程度しかなかったが、美容店で髪を切る男性の増加により男性のヘアスタイルは多様化している。
なお、1970年前後までの坊ちゃん刈りは、前髪を揃えるタイプが一般的だった。現在、校則の緩和化によりロングヘアの男性も見られるようになり、昔と比べれば減少しつつある。
おかっぱのボブ由来は、文字通り河童に似ているということから。日本では、古くは頭頂を剃り上げて周りの長髪を残し垂れ流し、河童のようにした男性の髪型を断髪または御河童頭と呼んでいた。江戸時代になると、こうした断髪頭は刑罰を負った者や世俗を離れ出家した者の髪型となり、「おかっぱあたま」といえば少女の髪型をさすようになった
大人の女性のショートヘアが一般に広まったのは、西欧でも第一次世界大戦以後のことである。アメリカではフラッパーと呼ばれた若い女性たちの間でこの髪型が流行した。折りしも直線的なスタイルのシャネルスーツと相まって1920年代の特徴づけるアール・デコファッションのスタンダードとなったのである。また1920年代後半には、女優ルイーズ・ブルックスが映画『パンドラの箱』でこの髪型の持ち味を活かし、男を破滅させる魔性の女ルルを演じたことでよく知られている。日本でも洋装の普及に伴い、昭和初期にモガ (モダンガール) のヘアスタイルとして、東京その他の大都市を中心におかっぱが流行した。
マッシュルームcutはビートルズがドイツ巡業時代に知り合った、芸術大学の学生たちの間で流行していた髪形が原型で、ドイツで仲良くなったアストリット・キルヒヘル(ビートルズのデビュー前のベーシストであったスチュアート・サトクリフの恋人だった)というカメラマン志望の女の子が、ビートルズのメンバーに広めたとされている。しかしその前に、アストリッドの彼氏であり、後にビートルズのアルバム『リボルバー』のジャケット・アートワークを務めるクラウス・フォアマンもよく一緒にクラブに来ていた事から、彼の影響もあったと見られる(ただし彼の髪をよくカットしていたのはキルヒヘル)なお、残りのビートルズのメンバーで真っ先にマッシュルームカットにしたのはジョージ・ハリスンであり最後は意外にもジョン・レノンであった。
テクノcutは本多三記夫の考案によるヘアスタイル。Y.M.O.(Yellow Magic Orchestra)がしていたことから「テクノカット」と、呼ばれ、一世を風靡した。その数年後、ザ・チェッカーズがしていた「チェッカーズカット」も本多によるもの。テクノカットよりも前髪部分が長く、ふぞろいにしたスタイル。その後(一時)、男性アイドルなどの定番的スタイルとなる。
ツーブロックcutとは、髪型の一種。頭頂部から耳の上ぐらいまでの髪は長めに残し、そこから下の部分はかりあげにしている髪型のこと。長い部分の髪を下ろしているときと、束ねたり・ブローによって、かり上げ部分を露出させた時とでは大きく表情が変わる。